汗をかいたグラス、涼しげな氷の音、口の中に広がる爽やかな苦味――。
夏のコーヒーといえば、やっぱりアイスコーヒー。
暑い季節には欠かせない定番のメニューです。
でも、「ホットはレギュラーに限るけど、アイスはちょっと…」という方もいらっしゃるのでは?
自分でアイスコーヒーを作ったらあまり美味しくなかった、
そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ふつうアイスコーヒーはグラスに氷を入れ、そこに熱いコーヒーを注ぐ方法で作ります。
その際には氷が溶けてコーヒーが薄まることを考慮し、ホットの2倍ほどの濃さで淹れるのがコツ。
アイスコーヒーの作り方は他にもありますが、これで十分美味しいコーヒーができるはずなのですが…。
この方法で美味しいアイスコーヒーができない場合、原因は作り方以外にあると考えてよいでしょう。
問題はアイスとホットの温度差なのです。というのは、人間の舌は温度が高いものほど苦味を強く感じるもの。
そのためホットで美味しいコーヒーは、アイスにすると、氷が溶けて薄まることを見越して濃く淹れたとしても、
苦味に欠けた物足りない味になってしまうのです。
つまり美味しいアイスコーヒーを作るためには、ホットではちょっと苦すぎるくらいの豆を使わないとダメなのです。
メーカーはふつう、苦味の強い銘柄の豆をブレンドし、これをエスプレッソ用の豆よりさらに深くローストして、
「アイスコーヒー用」の豆として販売しています。
リキッドタイプや水出しタイプのコーヒーバッグなども、やはり極深ローストの豆をベースにしています。
美味しいアイスコーヒーを作るためには、まず何より「アイス専用に深くローストした豆」を使うことが重要なのです。