コーヒーのはなし



◆コーヒーの泡
コーヒーの泡  ドリップ式でコーヒーを淹れる時、湯を注ぐとコーヒーの粉がふわっと盛り上がり、細かい泡がぶくぶくと出てきます。 コーヒー党なら「うん、これは新鮮なコーヒーだ」とこの時納得するところ。 逆にそれがなければ、「焙煎後時間の経った古いコーヒーだ」ということになります。 でも、この「細かい泡=新鮮なコーヒー」という説、本当なのでしょうか?

 コーヒー豆は焙煎すると、炭酸ガスをはじめさまざまな成分の気体を放出します。 このガスの放出は焙煎直後がもっとも多く、その後徐々に減少。 ドリップ式で淹れたときの泡はそれが湯を注ぐことによって一気に放出されるものなのです。 そしてもっと重要なことに、このガスは「コーヒーのおいしさ」に深く関係する物質でもあります。 「細かい泡=新鮮なコーヒー」というのは本当なのです。
コーヒーの泡
 ただ、このガスはコーヒーをパッケージングする際にはちょっと厄介な存在です。 焙煎したコーヒーは外気に触れると酸化し、風味が損なわれてしまいます。 ところがこのガスの放出が、焙煎したてのコーヒーを密閉した容器に詰めることを困難にしているのです。

 しかし実際には、コーヒーは缶詰や真空パックなど密閉した容器・包材に入れて販売されています。 これはどういうことなのでしょう? 例のガスはいったいどこへ行ってしまったのでしょうか?

 じつは缶詰や真空パックのコーヒーは、ガスがほとんど抜けきってからパッケージングされているのです。 「おいしさの素」でもあるガスが抜けてしまってから…。

 焙煎したての新鮮なコーヒーをパッケージングするためには、外気をシャットアウトし、 かつコーヒーの放出するガスを排出する一方通行のバルブが必要です。 袋についた「おへそ」のようなバルブですから、ご購入の際にはぜひお確かめください。