イタリアといえばエスプレッソ、フランスはカフェ・オ・レ、オーストリアはウィナー・コーヒー…。
コーヒーの楽しみ方はお国柄によってさまざま。
アラブで生まれ、世界へ広まったコーヒー文化は、
それぞれの土地で人々の嗜好やライフスタイルに応じて進化を遂げてきました。
日本で生まれ育ったコーヒーだってあります。ご存じですか?
それは「缶コーヒー」。昭和44年の登場以来、あっという間に全国に広まり、今や「国民的飲料」。
缶コーヒーがこれほど飲まれているのは日本だけなのだそうです。
たしかにローマやパリ、ニューヨークの街角で、人々が缶コーヒーを飲んでいる様はあまりお目にかかりませんね。
缶コーヒーが日本だけで広まったのは、やはり日本独自の文化である「自動販売機」の普及が原因とされています。
清涼飲料の自動販売機は現在全国に約200万台。その売り上げは2兆円とも。
そしてその中の約40パーセントを缶コーヒーの売り上げが占めるだそうです。
2兆円の40パーセントというと…。
とにかく、これだけ大きな市場となればメーカーが放っておくはずはありません。
メーカー各社は新商品の開発と宣伝にしのぎを削り、今や缶コーヒーは「百花繚乱」の状態。
味の方も昔のものから比べると、随分美味しくなったようです。
また、この間には販売機の方も改良され、コインを入れてボタンを押せば、アイスもホットもお好みのまま。
これほど簡単に楽しめるコーヒーは、世界中探したって他にはありません。
その点、レギュラーコーヒーを味わっていただくためには、
プルリングを引く作業より少々煩雑な手続きが必要になります。
ただし実際ご賞味いただけたなら、それはもう味と香りはまちがいなく…。
まあ、これは「言わぬが花」としておきましょう。